役割等級人事制度は、社員の「役割」を重視する人事制度です。
日本企業にも徐々に浸透しており、民間のアンケート調査等によると
およそ3~4割の企業で導入されています。
皆様の会社ではいかがでしょうか。
広がっている背景として、これまでの「職能資格制度の反省」と「行き過ぎた成果主義」があります。
かつて高度経済成長の中、日本経済は永続的に拡大するものという前提で、「年数の経過=能力の向上」という考え方が主流でした。年数が経過すれば人は必ず成長するのだ、能力は伸びていくのだ、という考え方です。そのため、「下げる」文化ではありませんでした。
しかし、バブル崩壊後、企業は給与を上げ続けることができず、「成果主義」に切り替えます。企業の「給与を洗い替えたい=下げたい」という気持ちから「年俸制」が広まったのもこの頃です。
そんな成果主義ですが、毎年劇的に給与が変動することから、これまでの「下げない」日本的な感覚にマッチせず無理が生じました。
そこで次に注目されたのが、「行動主義」です。成果に至るまでの行動も大事であるという考え方です。コンピテンシーという「成果につながりやすい行動特性」を評価に盛り込むことが流行しました。
そして現在、導入が進みつつある「役割等級人事制度」は、「職能資格」と「成果主義」と「行動主義」の要素を基にした人事制度です。
会社における「役割」を土台としたものです。
これまで日本が歩んできた教訓を踏まえ編み出した、いわゆる「日本版ジョブ型」と表現される人事制度です。
成果はもちろんきちんと評価し、それに至るまでの行動もきちんと評価する。日本人の思想にも、利益を追求するビジネスにもマッチしやすい制度だと感じます。
役割等級制度の主な構成は4層
①等級制度(社員を格付ける制度、どんな役割を期待するか)
②評価制度(何をどのような基準で評価するか)
③賃金制度(評価がどのように給与に反映されるか)
④処遇制度(昇格・降格・役職任命/解除のルール)
制度を作る際は、①から順番に作っていくことが、後戻りなくおすすめです。
ですが、この制度の難点は
・作るのが難しい(どう作ればいいかイマイチピンとこない)
・作った後の運用に根気がいる(役割定義や評価基準のメンテナンスについて慣れが必要)
シャインコンサルティングでは、この「日本版ジョブ型」の人事制度の構築を支援しています。会社の「人材活躍」と「業績向上」のために、まずは仕組みから整備することが良いと考えます。
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